夢幻巣窟 ~むげんそうくつ~

RENJI(レンジ)とJURA(ジュラ)の2人が描いた創作イラストを公開しつつ、小説、ポエム、無料携帯待受け画像、ゲーム日記、観た映画の感想など色々更新しています。

プレミアム バンダイ デアゴスティーニ
 

【小説】扉を開けて(3)

扉を開けて(3)     作/RENJI

恋人だった涼の思い出を引きずったまま、一歩も前に進めない由菜。
お昼休みも、あと数分で終わろうとしている時、由菜の肩をポンポンと叩く子が……!



 あたしにとって……。
 唯一の安らぎ、お昼休みが、あと5分で終わろうとしてる時------…。
「やだぁ! 5時間目の授業って、英語だよね?」
「そうだよ」
「……ごめん。教科書借りに行くの、付き合ってぇ~」
そんな声が、教室の後ろの方から聞こえてきて、あたしと美恵は目を合わせると、にっこり微笑んだ。

 ------何故なら。
 あたし達も、たまに同じことやるのよね。
 きっと皆も、一度はあるんじゃないかしら?
 教科書忘れて、他のクラスの子に借りに行く。
 なーんてこと。
 だから≪同じことしてるなぁ♪≫って、思ったりしてたの。
 そしたら、突然!
 ポンポンと、あたしの肩を叩いて、同じクラスの女の子が手紙を差し出した。
「はい、コレ。A組の女の子から頼まれたよ」
「えっ? あたしに……!?」
 自分を指差して確かめる。
「うん、そうよ。日高さんにって……」
「あ、ありがと……」
 あたしは手紙を受け取った。
(A組の誰かなぁ……?)
 手紙の封筒には名前一つ書かれていない。
 あたしは首を傾げながら封筒を開けると、中から手紙を取り出した。
 二つ折りになっている手紙を広げてみると、あたし好みの、とても可愛い≪子猫≫の絵柄の便せんに……。

      日高 由菜   様

    放課後。
    桜の木の下で待っています。
    大事な話があるので、絶対に来て下さい。

 そう書いてある。
 この手紙を誰がくれたのか、とても気になるけど……。
 それでも……、あたしは女の子がくれた手紙ということで、なんとなく安心してた。
 なのに、美恵が……横から手紙を覗き込み。
「この手紙……女子からじゃないと思うなぁ」
 小声で、そんなこと言うの。
「ええ------ッ!?」
 あたしは、悲鳴に近い声を上げた。
 ちょ、ちょっと待ってよ!
 じゃあ。
「まっ、まさか、男からの手紙だなんて言うつもりッ!?」
「うーん。多分ね」
 美恵が真顔で答えた。
「どっ、どうして、そう思うのよォ!?」
「どうして……って聞かれても、あたしにもわからない。わからないけど、そんな気がするのっ!」
 美恵の言葉と同時に、始業のチャイムが鳴り、5時間目の授業が始まるけど……。
 あたしの頭の中、授業なんかどうでもよくて、手紙のことだけで一杯になってしまった。
 まったく、美恵が変なこと言い出すから……。

 うーん……。
 手紙をくれた子に、会った方がいいのかなぁ……。
 そうよね、大事な話がある……って書いてあるし。
 だけど同級生でも、あたしの知らない子かも……。
 しかも、もし男だったら、会いたくないなぁ------…。 

 美恵の言ったこと、まるっきり信じちゃう訳じゃないけど、さ。
 当たるのよね~。
 美恵の言ったことって……。
 だから手紙をくれたのは男なんじゃないかって、思い始めたら……。
 気になって、気になって……。

 気が付くと------…。

 終業のチャイムが鳴り、結局、少しも授業に身が入らないまま終わってしまった。


≪続く≫
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