夢幻巣窟 ~むげんそうくつ~

RENJI(レンジ)とJURA(ジュラ)の2人が描いた創作イラストを公開しつつ、小説、ポエム、無料携帯待受け画像、ゲーム日記、観た映画の感想など色々更新しています。

プレミアム バンダイ デアゴスティーニ
 

【小説】扉を開けて(2)

扉を開けて(2)     作/RENJI

恋人だった涼の思い出を引きずったまま、一歩も前に進めない由菜。
そんな由菜を優しく見守り続ける親友の思いは……。



 お昼休みの教室で---------…。
「由菜。昨日、涼のとこ、行って来たんでしょう?」
 あたしの前の席に座っている、親友の美恵が聞いてきた。
「う、うん」
 コクリ、うなずくあたし。

 涼が亡くなってから、1年が経った昨日。
 あたしは、初めて……お墓参りに行って来た。
 涼に……18歳になった、あたしの姿を見てもらいたくて……。
 あの頃と変わらない。
 あたしの笑顔を……見せるつもりだった。
 だけど……。
 涼のお墓の前に立った、瞬間……涙が溢れてきた。

 ------あの頃に戻りたい。

 そう思うと、瞼から涙が止めどなく、次から次へと溢れ出して……。
 ほんの……ほんの少しの笑顔さえ、見せることが出来なかった。
(………ん?)
 このことは、あたししか知らない。
 そうよ。
 昨日、涼のお墓参りに行ったこと、あたししか知らない筈なのに……。
 なのに、どうして……?
(どうして、美恵が知ってるのッ!?)
「あたし、美恵に言ったっけ……? 涼のお墓参りに行くって……」
「ううん」
 そう言って、美恵が首を横に振った。
「何も言わなくても、わかるよ。由菜のことだもん。涼の一周忌には行くと思ってたよ」
 美恵が優しく微笑んだ。
 いつもそう、美恵に隠し事は出来ないの。
 あたしの考えていること、何でも、わかってしまうんだもの。
 どうしてかな……?
 あたしは美恵の考えていることなんて、少しもわからないのに、ねっ。
(参ったなぁ------…)


 彼女……。
 美恵とは、高校入学と同時に知り合って、もう3年目の仲になるかな……。
 高1の春、たまたま同じクラスになって。
 彼女・速川 美恵。
 あたし・日高 由菜。
 たまたま『は』と『ひ』、出席番号はいつもお隣同士で、なんとなく話しているうちに、妙に気が合って……。
 今では何でも話せる、あたしの大切な親友なの。

 そういえば……。
 最近、美恵が、あたしの顔を見ながら呟く時があるの。
『いつになったら、由菜の笑顔、見れるのかなぁ……』
 ……ってね。
 とても悲しい声で---------…。
 ------確かに、あたし。
 涼が死んでしまってから、しばらくの間。
 美恵に泣き顔ばかり見せてたけど……。
 今は違う……。
≪それじゃいけない≫って、気付いたの。
『由菜には、笑顔が一番似合うよ』
 いつも、そう言ってくれた。
 涼のためにも……。
 あたしはとびきりの笑顔して、毎日を過ごしてるつもりなの。
 そう少なくても、美恵の前だけでは、笑っていられる。
(なのに、どうして……?)
 今のあたしには、美恵の言ってることがわからないいよ。
 ねぇ、いつか、いつの日か……。
 美恵の言ってることが、わかる時が来るのかな……?

 その言葉の意味が---------…。


≪続く≫
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