夢幻巣窟 ~むげんそうくつ~

RENJI(レンジ)とJURA(ジュラ)の2人が描いた創作イラストを公開しつつ、小説、ポエム、無料携帯待受け画像、ゲーム日記、観た映画の感想など色々更新しています。

プレミアム バンダイ デアゴスティーニ
 

【小説】扉を開けて(1)

扉を開けて(1)     作/RENJI

1年前に事故で死んでしまった恋人の涼……。愛した人は、もういない……。
由菜は、涼の思い出を引きずったまま……。そこから、一歩も……。



 一年前……。
 涼は子供を助けるために、車に跳ねられて、18歳という若さで逝ってしまった……。
 ただ1人、あたしだけを残して……。


 6月のよく晴れた日曜日の午後。

「由菜ちゃん……涼が交通事故にあって、T大病院に運ばれたの……」
 涼のお母さんから電話の知らせで、あたしは急いで家を飛び出し、病院に向かった。

 あたしは、病院に向かう途中。
『たいした怪我じゃ、ありませんように……』
 そう心の中、強く強く願ったこと、今も覚えてる。

 何度も、何度も……。

 なのに………。

 あたしが病院に駆けつけたと。
 同時に……。
 涼は永遠に瞳を閉じた------…。


(嘘……でしょ)

「ねぇ、涼? 起きて……起きてよ! 涼ッ!!」
 あたしは泣き叫びながら------…。
 もう動かない、涼の体を揺すり……。
「目を開けてよ。ねぇ……。涼------------ッ!!」
 何度も、名を呼んだ……。

 嘘みたかった。
 自分の目の前で、まるで眠っているかのように見える涼は、もう息をしていないなんて……。
(嘘であって欲しかった……)

 あたしは、もう息をしていない涼の顔を覗き込み。
 ゆっくりと……涼の顔に両手を伸ばし、頬に触れると……。
 そっと、涼の唇にKISSをした---------…。
 頬も……。
 唇も……。
 まだ温かかったの。
 今でも、覚えてる……。


 津田 涼( つ だ りょう)
 優しかった。
 ひとつ年上の恋人。

 愛した人は……。
 もう……いない。
 わかっているけど……。

 あたし日高由菜(ひだか ゆな)は、一歩も前に進めない。
 涼との思い出を引きずった、まま……。
 ここから、一歩も進めない……。

 進めないよ---------…。


≪続く≫
関連記事

携帯待ち受け記事をご覧の方は、「拍手のお礼」ページにて画像が表示されますので、下記の拍手ボタンより「ダウンロード」して下さい。それ以外の記事からは、普通の「拍手」になります。

Theme : 自作小説 * Genre : 小説・文学 * Category : 創作小説/連載

* Comment : (0)

コメント









管理者にだけ表示を許可する